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別れの予感…涙雨 [感じる”愛”]

彼にとっても”兄貴的存在”と言える、親友のお兄さんの余命わずか…

その知らせを聞いて、彼が東京へ向って6日。

先ほど、彼から電話が入った―

   「美由…ありがとう。」    どういう意味かわからなかった。


 

土曜日の朝一番で上京する時―

この人のことだ、きっと最期まで側を離れない…とわかっていました。

お見舞いではない、確実にお別れに行くのだ、それならば不謹慎だけれど、

ひっそりと隠してでも持たせるべき物があった。

でも、知らせを聞いた時の彼の涙を見た翌日の朝に、礼服を持たせることなど出来ないと思いました。

 

火曜日、穴を空けるわけにはいかないお仕事の都合で、一度戻った時にもやっぱり渡せなかった。

それで…気心知れた親友の奥さん宛に、手紙を添えて送っておいたのです。

≪出来る事なら不要品であって欲しいと思いながら…不謹慎と知りつつ、玲さんに預かっていただきたくて送りました。 お別れの日が本当に来てしまったら、雅樹に渡してください。≫

もしかしたら…後で叱られるかもしれないと覚悟の上でした。


 

今日のお昼 休憩に入ってすぐに届いていた 

  ≪今朝…少し意識が戻って、話ができたんだ。≫

  ≪想いが通じて、よかったね。≫ と返信したけど・・・

過去の記憶が、心に暗くて重い影を落とした。

    20年以上前の12月30日、昏睡状態だったパパの意識が少しもどった

    ママも私たちも、それがしばらく続くものと思って

    病院で家族一緒の年越しをする許可をもらった。

    ”おせち”とまではいかないまでも、年越しらしいお弁当を―

    そう思って買い物に出掛け、家に帰るとママの弟が迎えに来ていました。

    ”パパが病院で待ってる”と涙まじりに教えてくれた 大晦日の正午。

  

     この記憶が、彼とお兄さんの別れの時を、私に予感させたのです。   


そして今夜になって―

  ”ご家族の方は、お帰りにならない方がよろしいでしょう” 

                  と担当医から説明があったそうだ。

 

親友の奥さんから、私が送った荷物を渡された彼が

連絡をくれたのが冒頭に書いた電話

  お別れの最後まで、東京を離れなくてもいいように…

         そういう想いがちゃんと伝わった ”ありがとう” の言葉でした。

哀しい知らせを聞いた時の涙は止まっていました。

この数日、苦しむ姿を目の当たりにして

    ”もう頑張らなくていいぞ”と言いたくなったと話してくれました。

 

 お兄さんが、薄い意識の中で、二人の弟におそらく最後になる言葉をかけてくれた

       ”お前たちは 嫁さん残して死ぬなよ” 

 だから電話の最後に

 「俺は、美由より先に死なないから。」と彼は言ってくれたのかな?と思う。

 でも・・・

 残された者より、大切な人を残して逝かなくてはならない方がつらい気がする。

       お兄さんが二人の弟に託した言葉は

       ”嫁さん残して逝きたくない”

       という裏返しの心の叫びに思えてならない。

    

どちらにしても…明日はきっと 涙雨 になる 


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min_dansk_liv-toms

mi-miさんの心遣い、ご主人の気持ち、素晴しいと思います。
(いいコメントが出来なくて・・・)
by min_dansk_liv-toms (2007-06-24 00:19) 

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