ふたつ星の秘密 [感じる”愛”]
前回の記事に書いた 忘れちゃイケナイ宝物の秘密 について語ります。
ちょっと重い内容になりますが...ココに書ける様になったということが
私の心がきちんと 起・承・転・結 の整理がついている証かな...
奈央へ・・・あの時は”ありがとう”の気持ちをこめて書きます。
玲さん&夏チャンへ・・・もう大丈夫だから、全然心配いらないからね。
アコチャンへ・・・読んでも泣かないでよぉ~
ちょうど六年前―
最初で最後の”別れの危機”を乗り越えた直後の無防備な夜(nude~身も心も~)の答えが出た。
ほんの数日だけ、私は”ママ”になった事がある。
だけど...その事実を知った時はもう、その命とお別れしなければならなかった。
その答えは ≪流産≫
この時、病院に付き添ってもらった親友の奈央に頼んでこの事実を≪一生の秘密≫にしようと決めた。
彼が赤ちゃんを望んでいないことは承知していたし、だからと言って授かった命を否定する人ではないこともわかっていた...ただ、その存在に気付いてあげることすら出来なかった短い命への後悔を、彼にまで背負わせるのがイヤだった...恐かったのかもしれない。
彼に唯一の秘密を持つ私の共犯になってくれた、奈央の言葉。
「美由が本当に後悔しないなら、私は言わない。」
確かにあった命...さよならした後の ”気付いてあげられなくてごめんね”
たったそれだけのわずかな愛しか知らないまま星にさせてしまった命があった。
去年の暮れ...彼がその秘密を知る事となる―
奈央が三人目を妊娠した。 自分の年齢的な事や、二人の子供への影響・・・。
色々な思いが交錯して、出産を悩んでいた時、産婦人科の先生から
「年齢的には最後のチャンスと考えましょう、望んでいてもそのチャンスに恵まれなくて
ココに通ってくる同じ世代の女性もいるんです。」
そんな話を聞いて、旦那さんと子供たちからのバックアップを支えに出産を決意。
そして、その決意をした彼女は秘密の共犯であることを止めた。
「子供を産ませなかった事、美由に後悔させない自信はあるの?」
そう言って、六年前の事実を彼に突きつけて”ラストチャンス”の宣告をしたのです。
今年のバレンタインデーの夜―
「美由、俺の子供産む勇気ある?」
何も知らない私は、冗談だと思った...と同時に悪ふざけが過ぎると怒った。
そこで、初めて全てを話してくれた。
- 六年前の流産のこと
- 秘密にして欲しいと頼んだ私の気持ち
- 甥っ子・姪っ子に接する私を見ていて、いいママになるのにと感じたこと
- 五年間以上も一人で妊娠に怯えていたことに対する謝罪
- 私のママに相談して、気管支喘息の症状が出る前に出産を終えるための条件として、今月と来月だけトライするなら許すと許可を得たこと。 etc.
その全てを聞いても、私の答えは ”NO”だった。
私の中では、六年前のあの時がラスト。
”ココ”にいた事にすら気が付かないで、守りきれなかった私が出した答えだから。
それでも彼は食い下がる。
「美由は子供を産みたい気持ちがあるのに、ずっと”妊娠したらどうしよう…”と思わせてきた事を、俺自身が自分を許せない…だから今更こんなこと言うのは俺のエゴだとわかってるけど。」
「あの時…もしも無事だったら、産みたいって言ったと思うの。でも、そうじゃなかったって事は、そういう運命なんだよ。大丈夫…後悔してないし。」
「運命とか言うな!もしもそんなモノがあるなら…美由との間に子供を作らないって言った俺が、それを狂わせたんだ。だから、せっかく授かった命が育たなかったんだよ。」
私がこれ以上拒否したら、彼は今まで以上に”子供を産ませなかった”という負い目を私に感じ続ける事になると思った。年齢的にも、六年前の体調とは違うから、たった一度のトライでの可能性は低い。
仮に、妊娠したとしても・・・一時的な感情や感傷で彼が言い出した事ではなくて、それなりの覚悟があっての事と感じたので ”たった一度の子作り” をOKした。
その結果―
私は、再びママになった…けれど、それもまた数日のだけ。
腹痛と出血があり、彼と一緒に病院へ行きました。
「妊娠反応は出ていますが・・・胎嚢の確認が出来ません。」
普通の生理のように出血が始まり ≪二度目の流産≫
一晩を病院で過ごし帰宅した土曜日、夜中に目が覚めると隣に彼がいませんでした。
真っ暗なリビングで光る彼の携帯…聞こえて来る声は明らかに泣いていました。
「…いや…それは美由には知らせない。」
「これ以上、傷つけるたくないし…俺は美由がいればいいんだしさ。」
「せっかく奈央が心配してくれたけど…この話はこれで終わりにする。」
電話の相手が奈央だということだけはわかったけれど…
”美由には知らせない”の意味が理解できなかった。
泣きながら電話するほどの話って…?
月曜日は会社をお休みしたので、午前中だけは休めないと仕事に出かけた彼の留守に
奈央と連絡を取った。
「雅が言わないと言った事を私から聞きたい?」
「どうしても…って言うなら、雅に聞きなさい。」
私をこう諭した後、彼女は彼にそのことを知らせたのだろう、午後になって帰って来た彼は全てを話してくれた。
- 初めてではない今回の流産は反復流産という事になる
- もし今後こういう事があれば習慣流産という事を視野に入れて検査・治療を要する
「どうしても、妊娠・出産を希望されるのであれば…年齢的に検査・治療をお勧めします。」
お医者様から、そう説明を受けた彼の答えは 「もういいです。」 だったそうです。
涙が止まらなかった…彼が着ていたシャツの右半分が透けるほどに泣いた。
”俺の子供産む勇気ある?” この言葉をくれた彼の覚悟に報いる事が出来ない
私の体が悲しかった。
「勝手に断ったけど、検査も治療も必要ない、俺は美由がいればいい。」
前日、暗闇から漏れ聞こえたのと同じ声。
その声だけが、私をギリギリのところで支えてくれた。
これが…彼の指輪の内側に光る ”ふたつ星”の秘密です。
”忘れちゃイケナイふたつの宝物…”と言ってくれる人、この人の側にいられるなら
この人の子供を産めなかった事を後悔することはない。
そして、自分が産めない体だった事を、もう悲しまない。
逆に、”子供を産ませなかった”という心の錘を外して欲しいと思う。
彼が言ってくれた言葉、本当は私が言いたい言葉です。
「雅樹がいてくれればいいです。」
その彼の左手薬指にある指輪の内側にそっと
私がママになった事実が刻まれている。
niceをつけたのはいいけど、言葉が見当たらないので、またきます^^
by ゆうか (2007-07-17 20:22)
深い絆が、すごく伝わってきました。
私には、絶対ないもの。欲しくても手に入らない。
言い方がみつからないんですけど、
それさえも、羨ましい・・。
by (2007-07-17 21:11)
その強い絆を見習いたいです。
私自身はまだ妊娠の経験がないので、
子どもができるがどうかもわからない。
もしかしたらできないかもしれない。
それを含めて受け入れてくれる相手がいてくれるということに、
心から感謝しなきゃと思う記事でした。
ありがとう。
by (2007-07-17 22:25)
ゆうか様 mei様 jam様
絆と言ってもらえて、うれしいです。
四ヶ月かかっちゃいましたけど(笑)
ちょっぴり重い内容でゴメンネ☆
ココに書いて、大丈夫の確認をしたかったのもあったのです。
by mi-mi (2007-07-18 01:09)