夢ふたたび [あの日から今日まで]
2003年の始まりは、”彼”の新たなスタートでもあった―
正式に退職の手続きをとり、有給休暇という権利をフルに活用して、年始から出社することもなく、1月末日をもって退職した。
退職の日―
「お疲れ様でした。(笑)やっぱり、淋しい?」 (愚問だ)
「こんな事でもなけりゃ、いつまでたっても決心がつかなかったかもしれないから、結果的には良かったんだ…シ・オ・ド・キってやつだよ(笑)」
そんな風に笑って見せたけれど、入社した頃に生まれた長男が高校生になるまでの長い年月である…もっと違う形で終わりを迎えたかったのではないか?それを思うと、笑顔が逆に刹那さを誘った。
「私は悔しいよ…。」 私は”彼”の代わりに言ってみた。
「ワカッタ、ワカッタ(笑)また成功したら、こっちの勝ちだろ?」
「絶対に成功して、どうだ!って言って見せてね。」
「ラジャー」
長年遣い続けて口癖になっていた”了解!”という言葉を遣わなかったのは確実に意図的なものだ。 辞めるという気持ちにまで至った、踏みつけにされた男のプライドがどれだけのものだったのか、私には計り知れない。
心の中には先行きの不安だってある…ただ、妥協して後悔させてしまう事になるくらいなら、前を向いて倒れた方がいい。倒れても、起き上がる男でいられる為に守った”プライド”なのだから―。
「ガムシャラに走ってきたんだ、少し休んでからでいいぞ。」
父親からの提案を”彼”は甘えてはいられないと一度は断った。
「お前の為だけじゃない、子供たちと美由のためだ。少しゆったりとした時間の中で暮らした方がいいんじゃないか。」この言葉には”彼”も素直にうなずいた。
「ありがとう…じゃあ、そうさせてもらう。」
そして、二ヶ月間のロングバケーション…のはずだった
何やらコソコソと隠密行動をとっている事に気がついたのは、2月も半ばに差し掛かった頃のことだ…。残業で遅くなる私を、会社まで迎えに来てくれる日々が続いていて、その日も軽く食事をして店を出る時、先に車を取りに行くからと、私にお財布を渡して”彼”は店を出る…と、ここまではいつも通りの行動。
ところが、私がお財布を開いて”ある物”を見つけたのと、ほぼ同時に”彼”は引き返してきたのだ!! とりあえず、会計を済ませ二人で店を出た。
”彼”がヤバイ!と気がついて、私が見つけてしまった”ある物”とは
≪自動車教習所の予約カード≫ (何だろうコレ???)
「バレたか…」
「何の免許を取得なさるの?(笑)」
「大型特殊免許…。」 (いかにも秘密にしておきたかった様子だ)
”彼”が跡継ぎ修行に入る、父親が経営する会社は、建築材料や建築機械を扱っている為、その当時取得済みだった”大型免許”だけではダメだと、そういう事らしい…。
「でも、現場に出るわけじゃないでしょ?」
「うん。違うだろうな。」
「じゃあ、どうして?それも内緒で(笑)」
「俺さ、一人息子のくせに音楽ボケした、バカ息子だと思われてるだろ?」
「そうなの?」
「どう考えてもそうじゃん(笑)だからさ、いざって時に”サラっと”重機くらい扱えないと、なめられるからさぁ~」
「それで、秘密なんだ…可愛いトコあるじゃない、バカ息子なりに(笑)」
口では茶化してしまったけれど、内心はホッとしていた。
”彼”なりのビジョンを持って、新たな道を既に歩き始めている。父親に恥を描かせない為のウォーミングアップのつもりだったのか?とも思う。
私ったらバカだなぁ~何にも心配いらないじゃない!
≪この人は黙って見守るだけでいい≫そんな信頼と安心を感じた。
その直後のバレンタインデーには、今どきの営業マンらしいスーツをプレゼントした(笑) バブル世代の”彼”のクローゼットにはどうにも水っぽいスーツしか並んでいないのだ
「リクルート活動の学生みたいじゃね?」と言って照れ笑いした後「新人には違いないか…(笑)」と自問自答の”彼”
「それなら街角のヤバイ筋のスカウトに見えないから大丈夫!(笑)」と私。
≪頑張ってね≫の気持ちをおもいっきり込めて贈ったのは伝わったハズ
それから1ヵ月後のホワイトデー
私が贈ったエールに応えるには大きすぎる≪頑張るよ≫の答えが返ってきた。
とてもプレゼントとは思えない”ソレ”は生まれて初めて目にした物だ。その書類には”登記書”と書かれている…。全く意味不明で???顔の私を尻目に”彼”が切り出した話には仰天した。
「退職金と社内預金で別荘地を買った、慎サンと隣同士の区画だよ。」
「え゛~~!!!!!」 (また何の相談もナシですか?)
「今までの事はこれでチャラ(笑)この先、成功したらココにスタジオ付きのログハウスを建てる…それが俺と美由の夢って事でどう?」
「うん...私も?」 もれなく泣きモードになりそうな所で「何か不満でも?」と笑い飛ばした”彼”の態度は、私の心の中に潜む”ある心配”を一気に消し去ってくれた。
”彼”の結婚生活が破綻した原因の最大のモノは、前の奥さんが”自分が彼とそして仲間の夢を阻んだ”と間違った罪悪感を持ち続けた結果の逃避、それを察知して”そうじゃない”と言ってあげられなかった”彼”の愛情不足から、10年も側にいながら心と心がすれ違い続けた結果の離婚だった。
そして今度は、あの時の奥さんの様に”彼”が≪俺は美由の夢を奪った≫と思い込んでいるのではないか?という心配だった。
優しくされればされるほど、大事にされればされるほどに≪無理してるんじゃないかしら?≫と思ってしまうのだ。
ボタンの掛け違いは絶対にしたくない!
”彼”にまた同じ轍を踏ませるわけにはイカナイ!
そんな風にいつも、いつも思っていた…。それを、知ってか知らずか”彼”が言ってくれた≪…俺と美由の夢≫という言葉にはとても大きな意味がある。
夢をなくしたのではなくて、夢の形が変わっただけという事なのだ
二人で同じ夢を―
こんばんは☆
2003年は私たちが結婚した年なんだけど
知らないところでこうやって人生がうごいてるんだよね
すごいなぁ~
雅さんのおもいっきりの良さにはビックリだけど
そうやって自分に正直に生きられるって素晴らしいと思う
にしても、別荘ってすごいね 正直うらやましいなぁ~
私たちも一軒家がほしいんだけどいつになるのかなぁ
まぁこれからなんだけどね
by lovery-hyutan (2006-01-27 03:12)
追伸:
遅くなりましたけど、お誕生日おめでとう!!!!
今年は雅さんとどんな風にお祝いしたのかな???
またひとつ磨きがかかってステキな美由さんになったことでしょう
これからもどうぞよろしくね
by lovery-hyutan (2006-01-27 03:17)
ひゅ~ママ(*^^)v
まだ予定地ですよ(^^ゞ
上モノが建てられるかどうかは神のみぞ知るです(笑)
夢は大きく持っていた方が人生楽しいもの(*^。^*)
最近は私の仕事の方が忙しくて^_^;迎えに来てくれるのはいいけれど
”オレ、ちょっとヒモな気分だ!”とキレ気味の雅樹でした(笑)
お誕生日覚えててくれてありがと!飛悠クンもおめでとう(^_-)-☆
お誕生日前から体調不良で病院通いでした(痛)
復活して、さぁブログ!と思ったら
ソネブロは非常に重くて、GBAの完成までコメントできなくてゴメンネm(__)
by mi-mi (2006-02-01 00:57)