事件簿Ⅲ 彼と私の20日間戦争-逃避

悲しくて、ただ哀しくて、何も考えられなかった…。

家に帰り、母を起こさぬ様そっと自分の部屋に入ってベッドの中で声を殺して泣いた…。

”彼”が私を想う気持ちを疑ったわけではない…。

何か”ちゃんとした理由”があるのだともわかっている…。

それでも、そんなコトはどうでもよかった。説明などいらない!!!

どんな理由があるにせよ、聞いてしまった事は消せない…のだから。

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明け方―

目を覚まして、置手紙を見たのであろう…。”彼”から電話が入る。

「俺…何を言った？」

「今どこに居る？」

”彼”の言葉に何も返さず、電話を切った…。

再び鳴る携帯。

「会いたくないの…。」”彼”の言葉を待たずに、そう言って電源ごと切った…。

 そして…”彼”の声を聞いたコトが引き金となり、もう声を殺す事が出来なくなって、思いきり声を上げて泣いた。

”今夜は帰って来ない”と思っていた私が帰って来た事に気付いていた母であるが、最初は”ケンカでもしたのか？”と思って寝ていたらしい。

それでも、尋常ではない私の鳴き声にたまらず声を掛ける…。

「雅樹ｸﾝとケンカでもしたの？」

 違う！違う！違う！…でも、それもどうでもいい…。

一部始終を母に話してみたところで、事態は変わらないのだから。

「雅樹ｸﾝが優しいからって、ワガママ放題してると、もっと泣く事になるわよ。」

完全に的外れなご意見である…。

「もう、いい…ほっといて!!!」　私もまた、完全なる八つ当たりだ。

「だったら、帰って来ないで二人で話せばいいでしょココで泣いてて何の解決になるの！”会いたくない”って言って困らせて…雅樹ｸﾝが飛んで来るの待ってるくせに！」

普段のケンカなら、図星の意見もこの時ばかりは事情が違う。

本気で会いたくない気持ちだった…。

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親子ゲンカから数分後―

まるで母の意見を裏付けるかの様に、”彼”が来た。

「美由、開けるよ…？」

「私、会いたくないって言ったよ。帰って...クダサイ...（泣）」

「帰らない。たのむから…話聞いてくれよ。」

「聞いてどうなるの？無かったコトに出来るの？」

私はわかっていた、確たる根拠はなくて、ただ漠然とだけれど…。

”彼”が口にした名前は、私以外に別の女性の存在が居るコトを意味しているのではナイ。　そう…≪ミキ≫とは、おそらく”私以前”の女性なのであろう。

そして、”話を聞いて…”と言うからには、何らかの理由があるからなのだと…。

でも、どんな理由を聞いても納得出来るわけがない。

≪納得させられてたまるか!!!≫の心境だった。

 

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結局、私は”彼”と向き合う事から逃げた― 

「雅樹が帰ってくれないなら、私が出て行く…。」

「わかった…俺が帰るよ。」

何も事情を知らない母が、私の態度にキレた…。

「美由！いい加減にしなさい!!!雅樹ｸﾝが帰る事ないわ！出て行きたいならどこへでも行けばいい!!!」

さすがは私の母親、血は争えない　キレたらノーブレーキ（”彼”の後日談）

ご丁寧にも、私が荷物を詰めたバッグを玄関から放り投げて爆弾発言

「出て行くからには、簡単に帰って来られると思わないで」

この展開に焦ったのは”彼”だ…。

「ちょ、ちょっと待ってよ！お母さん。俺が悪いんだから。」

「だいたい、雅樹ｸﾝも甘やかしすぎよ！大事にしてとは言ったけど、こんなバカ女にしてと頼んでないわよ！」

最後には”彼”にまで飛び火

母の勝手な解釈で事態は大混乱となり、私は家を出た…。

母の売り言葉を買ったのではない。

混乱していても、”火種”が何か？を見失ったわけでもない。

敢ていうならば”彼”と向き合う心を見失った．．．というコト。

「待てって言ってるだろ」と言って私の腕をつかんだ”彼”

「私は”ミキ”じゃない」とその手を振りほどこうとする私。

その瞬間に私の腕をつかんだ”彼”の手の力が”スッ”と抜けた．．．。

　　　私の心に最初で最後≪彼と別れる≫という言葉が浮かんだ瞬間でもある。

コメント 3

こんばんは　やっと来れた！

大好きなカレの口から違う名前を聞くなんて相当なショックだよね
私も前に経験したことある　もちろん怒ったよ
どんな言い訳しようが本当にどうでもよくなるんだよなぁ～
でね、私逆もやったことあるの（笑）
さっきとは別の人にやっちゃたんだけど
言い慣れた言葉って口が記憶してるんだよね　方言みたいにさ
しかも気が緩んでるときにはポロッとで易くなっちゃうんだなぁ
しかし雅さんたるお人がそんなミスするなんて一体何があったんだろ？

美由さんの地元ってもしかしてＡ県Ｎ市なの？
もしそうなら私たちかなり近くに住んでるね
私はお隣のＴ海市なの！！
うれしいなぁ　^　＾
by lovery-hyutan (2005-12-16 00:13) 

to：ひゅ～ママ(^^)v
かなりおひさでしたね(*^。^*)
毎日、更新のチェックをしてたんだよぅ(笑)
実はご近所さんでしたね(*^^)vT海市にはお友達もいて、結構くわしいかも！
N和とか、OT川とかね(^_-)-☆
貴女とダーリンが出合ったTタワーの今年のイルミも素敵です(笑)

さてさて、今回の雅さんのミステイクは史上最悪の事件(*_*)
続編を書こうと思っても、その当時の思いが甦ってきて複雑なのよねぇ(笑)
だって～この間…この記事書いてる途中に電話がかかって来た時の私ったら
めちゃ不機嫌で”何怒ってんの？”とつっこまれて我に返ったりして(^^ゞ

一番情けないのは、もちろん私なんだけど・・・許しがたい人がいたのよ！
まったくもぉ～って感じ（怒）
　　　　　　　　　　　詳細は”終結編”まで待ってねm(__)m☆
PS：激寒い毎日なので、ひゅ～たんもママ&パパも風邪には要注意よ！
by mi-mi (2005-12-16 00:35) 

おお！！やっぱり近くだったのね　嬉しすぎ！！！
私ＯＴ川からかなり近いよっ
こんなに近いともしかしたら会えちゃうかもね　＾ｖ＾　
って勝手に思い込みすぎ？！
でもでもこんなにステキな２人がこんなに近くにいるなんて嬉しいよ♪
Ｔタワー行きたいけどなかなか今は難しいかも・・・
それに行くなら２人で行きたいなぁ　なんたって思い出の場所だしね

過去のこととはいえ嫌なことを思い出すのは腹立たしいことよね
でも雅さんも知らないとはいえただ電話かけただけなのに出たとたんに
美由さんが怒ってたなんて運が悪かったね（笑）　
許しがたい人ってどんな人なんだろう？？
終結編が待ち遠しいよ（わくわく）

毎日更新できなくてごめんね・・・
本当はしたいのだけど、この頃飛悠に付きっ切りでクタクタになって
記事を書くまでに至らないのよ・・・
昼間はもちろん元気いっぱいでいたずらし放題で、
せめて夜ぐらいは自由にしてほしいのだけど、（夜泣き程ではないけど）
グズリ始めてしまってこうなるとトイレにも行けないほどなんです（泣き）
きっと淋しくて泣いちゃうみたい　そこがかわいいんだけどね♪
病気知らずでその辺助かってるからありがたいですよ
あとは私たちが風邪を招かないようにするだけです

ってなわけで記事は書けなくても訪問はするんでよろしくです
美由さんも雅さんも風邪ひかないでね♪
by lovery-hyutan (2005-12-17 02:11)