”ひとつ”の夜を越えて [あの日から今日まで]
再び出発したものの二時間も遅れれば、もう仲間は目的地に到着する頃であり、”彼”の携帯に連絡が入る…。
”彼”が忘れ物くらいで戻るわけがないと…私たちに何かが起きた事を察知していたらしい。
「私…雅サンだけじゃなくて、みんなからも面倒な女だと思われたかな?」
「そんな事ないよ。今から一緒に過ごせばアイツ等の気持ちはすぐに分かる。」
面識がないわけでは無く、”彼”を取り巻くその仲間がとても心地良い関係である事も充分に感じている。
それだけに、いきなりこんな”失態”をさらしたコトがとても恥ずかしいと思えてならなかった…と同時に”彼”にも≪ゴメンナサイ≫の気持ちが改めて湧いた。
なくて七癖…7分の1 ② [あの日から今日まで]
高速を降りてからも、ずっと”彼”は口を閉ざしたまま、車を走らせていた。ただ走っているのではなくて、確実に”何処か”へ向かっているという感はあった。
「もう、行かないの?」
「このまま帰るの?」
「どこへ行くの?」
どうにもならない気持ちで、矢継ぎ早に問いかけてばかりいた私に返ってきた言葉…。
「美由、ゴメン…少し黙ってて。」
なくて七癖…7分の1 ① [あの日から今日まで]
8月に入って”彼”は2週間の期限付きで”パパ”ではなくなった。
というのも…”彼”の父方の実家が千葉で旅館を経営している関係で、”彼”のお母さんは手伝いを兼ねて、子供たちをつれて帰省したのである。
去年のお盆過ぎに夏休みを取った”彼”の強行なスケジュールを思い出した。
「今年はお盆に3日間行こうと思ってる…。」
「うん。」 (少し安心した)
「それまでの時間は、二人でいられるから…ね」
「ウレシイ!!!」
「ウレシイ?(笑)じゃあ…美由のママに会わせてくれない?」
会いたくて…会えなくて…会いたくて…。 [あの日から今日まで]
やっと…。そう、本当にやっと二人の想いが重なった…。
大きな双六ゲームをしてきたようなものだ…。
何度も”一回休み”をくり返し、時には”ふり出しに戻る”ことだってあった。
でも、最後の”あがり”を決めるサイコロは”彼”が投げてくれた。
記念日② ~約束~ [あの日から今日まで]
”彼”から受け取った、小さいけれど想いの詰った重い箱…。
「開けてみる?」そう言って、ベンチがある方へと私の手を引く…。
私はその”小さな箱”と”気掛かり”で返事を忘れていた。きっと、その二つの”中身”は同じモノだ
それでも”彼”に促されるままベンチに座り、リボンを解きながらも、心と目は完全に”気掛かり”の先に釘付けになっていたのだろう…。
”彼”がその視線に気付いた…。
「指輪・・・?」
「うん。」
記念日① ~告白~ [あの日から今日まで]
”彼”を置き去りにしたまま、TAXIに乗った…。
でも、次から次に溢れる涙は止まらない…。
すぐに「ゴメンナサイ…やっぱり降ります。」 そして家までの道程を歩いてた…。
途中で奈央から電話が入った。
悲しいKiss [あの日から今日まで]
GWも終盤になったある日、暇を持て余す私に奈央から電話が入る…。
当然の事ながら、退職については四月に開かれた”イチゴの会”で報告済みであった。
「どう?自由になれる日が近づいた気分は(笑)」
「まぁまぁ…ってとこかな(笑)」
「そう…じゃ!加速させてあげよっか?」
「ん…何?」
”決別宣言” [あの日から今日まで]
早い!!!ここまで、色々な思いに阻まれて、足踏みしていた分だけ…そうと決めてしまったら一気に加速する。
一週間後の会社の締め日を待って、社長にその旨を伝えるべく時間の都合をつけていただくようにと告げた。
事件簿Ⅱ ホワイトデー~秘密がバレた~ [あの日から今日まで]
戦わずして終わったバレンタインデーから1ヶ月後…。
≪私には関係ない日…。≫そう決め込んで、普段通りに仕事をしていた。
でも、この時期には私の心の中に、ぼんやりとではあるが”決意”のようなモノを感じながら過ごしていた…。
その日のダイアリー…。
《1999.3.12.fri 日記より抜粋》
”とうとうバレた…もう隠せない。” そんな事件が起きたのだ。
バレンタインデー ~不戦負け~ [あの日から今日まで]
1999年2月14日バレンタインデーところが!この年のバレンタインは日曜日…
私のみならず、学校やオフィスだけがチャンスの場所…という片想いの女性全部を敵に回すカレンダーである。
されど、世の”乙女”はそれで引くほどヤワではない!遅れてしまうのは問題だけれど、”前倒し”はOKらしい(笑)…という事で2月12日の金曜日を”その日”とする風潮で、まさに”決戦は金曜日”である。
その日のダイアリーを紐解いてみる…。
《1999.2.12.fri 日記より抜粋》
”不戦負け…私のバカ!” と書いてあった…その理由とは?